１．睦月：夢

日本のお正月と言えば、初夢。やはりここからスタートでしょう。また一年の計は元旦に有りとも言い、寝て見る夢と将来の夢の両方の重心が、１月にあるのです。どんな夢を描こうか・・・と考えた挙句、平和で暖かい曲に仕上がりました。

２．如月：雪

雪の冷たさではなく、柔らかさ、暖かさ（心底冷え込んでいるときは雪が暖かく感じるんですよ）を表現しました。本アルバムで唯一、ストリングスがチェロ音域なのもそのためです（他の曲はみんなバイオリン音域です）。メロディもちょっと民謡調というか、プリミティブな魅力を狙いました。

３．弥生：風

３月といえば春一番、春風、風に舞う桜の花・・・というわけで、桜が舞い散る中での学校の卒業式を連想して、こんな曲になりました。ちょっとドラマチックすぎるかな？

４．卯月：花

しんみりとした卒業式の後は、入学式や入社式です。新しい門出に心躍る、でもちょっぴり不安もある、そんなワクワク感を描きました。

５．皐月：萌

新緑が萌出でる季節。若々しい生命力を愛でるイメージの曲です。若々しい生命力そのものを描くのではない所が、「ああ、俺も年を取ったな・・・」と（笑）。

６．水無月：虹

６月というと梅雨のイメージが一般的ですが、私は雨上がりの虹を連想します。この曲は、憂鬱な雨の後に現れる虹を見上げる心境で書きました。

７．文月：星

梅雨の季節が終わるとなかなか暮れない夕方。それでもようやく夜になったと思って空を見上げると満天の星、天の河。まさに降って来そうなほどの星をたたえた夜空の曲です。

８．葉月：雲

８月といえば山だ！海だ！夏休みだ！その思い出に残るのが高い青空と真っ白な入道雲、そして暑い午後のけだるさです。それらの印象をこの１曲に込めました。

９．長月：空

９月の空は澄んで高いですね。その抜けるような青空を見上げると、８月のけだるさから一転、早朝の空気の冷たさに身が引き締まるような、そんな曲です。

１０．神無月：月

秋の夜長といえば、中秋の名月です。銀盆のような月を肴に、酒のグラスを傾ける・・・そんな雰囲気で聴いてください。

１１．霜月：雨

スクファンなら11月と言えば雨でしょう・・・という冗談は置いといて、晩秋の冷たいシトシト雨をイメージした曲です。

１２・師走：灯

年の瀬の寒い夜。家々の窓からこぼれる暖かい光をイメージした曲です。ですから、暖かい灯そのものを描くのではなく、暖かい我が家の灯を目指して帰ろうと、夜の並木道を凍えながら急ぐ雰囲気です。